50代 女性 介護でもっと頑張りたくなったとき

50代の介護福祉士です。有料老人ホームでの働き始めたころの出来事を書きます。
 私が勤めているホームでは自分で何でもできる方から寝たきり状態の方まで暮らしています。ターミナルといって亡くなるまでお世話させていただく方もいらっしゃいます。私は年齢は高いけど、施設で亡くなる方の介護はしていなかったので、先輩(年下)に「ちょっとあぶない方がいる。」と言われたときは不安になりました。介護士のできることはバイタルを測り、異常があれば看護に連絡します。ところが、体調の悪い方は電動の血圧計では測定できず、手動の血圧計(病院で腕に巻いてシュッシュッと空気を入れるタイプ)を使います。これがなかなか難しく、むくんでいる腕に巻いて空気を入れるとズブズブッと腕の水分が移動します。先輩や看護師に教えてもらい、血圧の測り方をマスター、呼吸に気を付けるように丁寧に指導してもらいました。それでも夜勤は一人で何人もの方の介助に各部屋に入っておむつ交換をしなければなりません。自分が夜勤のときに亡くなったらどうしようと考えていると、その日夜勤の先輩が看護師に「常に気を付けるけど、他の部屋にいる間に亡くなるかもしれない。」と言っているのを聞いて「そうだよね。」と少し安心しました。介護士・看護師と力を合わせて介護している様子に、私も少しでも役立ちたいと思いました。
 しばらくして主治医からご家族を呼ぶように話がありました。家族宿泊室にご家族が泊まり込み、最期のときを一緒に過ごされました。臨終が告げられるとその時間に仕事をしていた職員が交代で居室に入り、ご本人様とお別れをさせていただきました。今までも話すことの出来ない方でしたが、声をかけるようにしていたので「ありがとうございました。」と小さい声で声かけさせていただきました。
 部屋を出ると他の入居者の方たちが、部屋の前でそっと手を合わせてらっしゃいました。「ともに暮らしてきたからね。」と話されていました。ここが生活の場所なんだと、改めて理解できた瞬間でした。